サンドリヨンは微笑まない
お母さんの説明に驚く。
「お財布も携帯も全部ちゃんと一緒にあったみたいなんだけど…」
「こんにちは、おはようございます、網島さん」
先生の声に途切れるお母さんの声。
あたしはそっちを見る。
「話せますか?」
「はい」
「頭は痛くありませんか?」
「大丈夫です」
左瞼の上に違和感があって触れてみると、絆創膏のようなもの。
それから少し説明を受けて、幸い骨にも頭にも異常はないけれど、打撲が酷いと言われた。
午後には岸田さんと平井さんも来てくれた。
みんな心配した顔。