サンドリヨンは微笑まない
「あたし、許さないよ」
「うん、それでも良いの」
「…変わったね、ホタル」
少し悲しげで、少し緩んだ口調。
そこで病室に帰ってきたお母さんが外で聞いていたのか、涙を溜めたままこっちへ小走りしてきた。
ガッとあたしの首とお姉ちゃんの首を抱き寄せて「二人とも好きよ」と言ってくれた。
無償の愛って、本当に偉大だ。
「ちょっと、お母さん苦しい!」
「うふふふ」
「痛い痛い!」
もしかして、お母さんが辛いことでお姉ちゃんが辛くて。お姉ちゃんがあたしを嫌うことでお母さんが辛かったのかな、と思った。