サンドリヨンは微笑まない

ちらりと遼を盗み見る。

遼と帰ったことも覚えてないってことは、遼に告白したことも忘れてるってことだ。

この上なく、最低なことをしているあたし。

遼は普通に藤堂さんの危ないメロンの手付きに目が釘付けだった。


「あと、これ。探偵に調べて貰ったんだよ、ホタルちゃんのこと。勝手にごめんね、でも変なんだよ」


折り畳まれた紙が渡される。

…変?

あたしはそれを開いた。網島螢、誕生日、血液型、家族構成、これまでのしてきたことの詳細。

それは、詳細じゃなかった。

小学校の先生の話では真面目な普通の子。中学でも一緒のことが書いてある。



< 393 / 432 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop