サンドリヨンは微笑まない
ちらりと遼を盗み見る。
遼と帰ったことも覚えてないってことは、遼に告白したことも忘れてるってことだ。
この上なく、最低なことをしているあたし。
遼は普通に藤堂さんの危ないメロンの手付きに目が釘付けだった。
「あと、これ。探偵に調べて貰ったんだよ、ホタルちゃんのこと。勝手にごめんね、でも変なんだよ」
折り畳まれた紙が渡される。
…変?
あたしはそれを開いた。網島螢、誕生日、血液型、家族構成、これまでのしてきたことの詳細。
それは、詳細じゃなかった。
小学校の先生の話では真面目な普通の子。中学でも一緒のことが書いてある。