サンドリヨンは微笑まない
あたしが真面目な普通の子?
どれだけ都合の良い解釈をしたらそんな風に思えるんだ。
それに、探偵ならすぐに分かったはずだ。
あたしが元レディースもどきだってこと。
「安いところだったとか?」
「いや、こっちの業界ではかなりの腕の良い探偵。なのに、ホタルちゃんの情報は完璧にガードされていた」
平井さんが目を細める。
「一体キミって何者?」
敵意には敏感な方だ。
平井さんが初めてあたしに敵意を向けている。得体の知らないあたし。
それでも、あたしもこんなことは知らなかった。
確かにレディースのことを自分の口から言わなかったけれど、探偵が調べても分からないって何?