サンドリヨンは微笑まない
笑うと、お姉ちゃんは呆れたように溜息を吐いた。
「話し方とか態度は変わっても、今も昔もくそ生意気な笑い方は変わらないのね」
「えーこれお姉ちゃんの真似だよ?」
「さっさと行け生意気螢」
蹴られた。足癖が悪い。というか、未だ怪我人を蹴るってどういう神経してるんだこの弁護士。
お姉ちゃんが暴力罪みたいので訴えられませんように。
そう祈って、電車が見えなくなるまで律儀にホームにいるお姉ちゃんを、律儀に見ていた。
もう少しで卒業式だ。
まだ堅い桜の蕾が花を咲かせるまで後何日だろう?