サンドリヨンは微笑まない



渦見という女は、あたしと同い年で、善意というもの以外では気の合う仲間だった。

渦見は法に触れない程度の悪いことをして、あたしはそれを見て笑う。

その周りには勝手に取り巻きが出来て、勝手に大人がそれをレディースと呼び始めた。


「…レディース?」

「一昔前すぎるよね」


それでも、渦見とは仲良くやっていた。

ふざけているのは分かってた。本当の悪には成れないのも。

だから、レディースもどき。

他人になんと思われようとも、どうでも良い。楽しく生きて、若くて綺麗な内に死にたい。



< 408 / 432 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop