サンドリヨンは微笑まない
へえ、と遼は言葉だけ返す。
そう、それで想像通り渦見とは仲違いになった。
別にあたしはヤなんとかが好きでもなくて、放っておいたらそうなってしまっていた。
誤解を解くことも出来たんだろうけど、その前に夜中、家を囲まれた。
その時、アパートに住んでいたし。いつもは何も言わないお母さんが眠るあたしの部屋にノックをしてきた。
その光景は、なんていうか、本当に昔の映画みたいだと思った。
「で、今回みたいになった?」
「ううん。逃げたの、その男のとこに」
「そいつも不良?」
「ううん、お金持ちの浪人生」