サンドリヨンは微笑まない
あたしはまたここに帰るつもりです、と伝えたら、生意気だと溜息を吐かれる。
岸田さんとも話した。
「色々、お世話になりました」
「その言葉、また聞くことになるとはね」
会議室は二人で話すには広い。よくここで仕事の話したなあ。
岸田さんには沢山の意見と考え方をもらった。
「他の人が岸田さんに何て言っても、あたしは感謝以外出来ないです」
頭を下げる。
絶対に帰ってくるつもりだから、悲しくはなかった。
一階のフロントまで送ってくれて、岸田さんの方を見る。
「遼くんと仲良くね」
「はーい、あ、岸田さん」
あたしの実家の街に、親戚っていますか?