サンドリヨンは微笑まない

聞こうとしたけれど、止めた。

岸田さんは、あたしを守ってくれた。

あたしにそんな価値ない、と言った自分をぶっ飛ばしてやりたい。


「なあに?」

「いえ、旦那さんとお幸せに」

「あ、うん」


ちょっと拍子抜けした岸田さんが新鮮で笑った。

また明日会うみたいに手を振って、ビルを出た。







本日、スノードロップ事務所所属のホタルこと網島螢は、モデルを辞めて、普通の高校生へと戻ります。




< 417 / 432 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop