サンドリヨンは微笑まない
それより、あたしは来年成人だから、みんなと成人式に出られない方が悲しい。
「網島さん、写真撮ってもらっていい?」
ほら、こうやって写真撮る側にもまわっちゃったり出来るんですよ今は!
パシャ、とシャッター音が響く。
青空の下。
「網島は大学行くの?」
「一応短大にね。二人はまた同じ大学だね」
そう言うと、かなり嫌そうな顔をする二人。
桜の蕾はまだ堅い。二年前のあのときと同じ。
「網島」
一年からずっと同じ担任の先生に呼ばれて、あたしはそっちに向かう。校門の近くに姿があった。