サンドリヨンは微笑まない

雑居ビルの中を歩いていく。


「特に」


正直な感想を伝えると、特別しょんぼりした様子も無く「だよね!」と同調した。

たまに、螢の思考回路が読めない。

それを前に口にしたら「あたしもよくわかんない時がある」と言われた。

それって自分の思考回路か? それとも俺のことか?

今更そんな疑問を頭に浮かべて、一つのビルに入る。

ここに来るのは、初めて。


「平井さん居るかな?」

「確認せずに来たのか…」

「昨日聞いたらいるって言ってたよ? でも多忙な人だから、たまにいなくなっちゃうんだよね」


一応社長だからな。


< 425 / 432 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop