サンドリヨンは微笑まない

エレベーターに乗って、事務所の階のボタンを押した螢。


「教育実習楽しい?」

「楽しくはないけど。あんたみたいなのが沢山いる」

「それはそれは大変ですね」


少し拗ねた言い方に肩を竦める。

大変と言えば、大変だけど。


「あーあ、遼は女子高生好きだから困るなあ」

「おいこら」

「嘘です、嘘!」


必死に顔を防御する姿を見て、頬を抓る。いひゃい、と眉を顰めた。


「平井さんに会えたらミキって奴にも会いたい」

「え、今海外行ってるから会えないよ」


そうなのか、と少し安堵。



< 426 / 432 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop