サンドリヨンは微笑まない
小野寺くんはけろりとした顔をして、「まあね」と一言。
「そういえば二人は仲良いね」
「良くない」
「同じ中学?」
「隣の家の幼なじみ」
さらりと小野寺くんが言った。なんと、幼なじみ。
少し憧れるなあ。
化学室に着いて、席に座る。あたしの顔をじっと見た伊月さん。
うん? と首を傾げると、ううん、と首を振って自分の席に行ってしまった。
そういえば、仕事のこと。学校には言っていたけれど、生徒に話したことは無かった。
なのにどうして伊月さんは知っていたんだろう。
それを知るのは、もう少し先の話。