サンドリヨンは微笑まない
放課後になったら事務所へ。あんまり長居はしないで、すぐに遼の家に行く。
期末まであと四日しかない。
「ホタルちゃん、夏休み入ったら結構予定入ってるから。補習とかあったらでこピンだから」
「え、あ、はい!」
「ちょっと…目泳いでるんだけど」
「泳いでません…全然。遼の所に行ってきます」
立ちあがって時計を見る。事務所の人は段々増えていっている気がする。
出口を開けようとすると、向こうから引っ張る人と鉢合わせた。
「すいません、」
「こちらこそ、大丈夫?」
美声が降る。