サンドリヨンは微笑まない
顔を上げると、あの有名女優。
「藤堂麻季…さん」
「はい」
小顔…! 美形、美脚、髪の毛…、というところまでで思考回路停止。
ここの事務所なのかとか色々聞きたいことはあるんだけど、勉強が。
勉強があたしの首をキリキリと絞める。
「私も知ってる。ホタルちゃん」
「え…!」
「なんか急いでたんじゃないの?大丈夫?」
「すいません、今度またお話したいです!」
頭を下げて事務所を出て行く。あーもう、何なの期末試験!
絶対に赤点なんて逃れてやる!