サンドリヨンは微笑まない
「遼にも馬鹿時代が…」
「赤点とか留年なんてしてないけど」
「分かってますー」
はい、と試験範囲を見せる。遼はそれを見て参考書をパラパラ捲っていった。
欠伸を噛み締めて遼の説明を聞いていく。
平日は休日に比べて短い時間しか勉強出来ない。
出来ないって言ったって、昔に比べたらかなりしている方だけれど。
「夕飯は?」
「食べるー…けど炭水化物は要らない」
「八宝菜丼と中華スープ」
ご飯食べたい…ちょっとなら、でももう遅いし…。
九時を過ぎたら食べすぎない、と決めている。
ソファーに寄り掛かりながら壁にかかっている時計を見上げた。