サンドリヨンは微笑まない
作るの手伝わないと…本当に食べさせてもらえないかもしれない。
それでも反対に瞼を下ろそうとしている。
「やっぱり要らない、ちょっと眠って良い?」
「ん、なんか掛けて寝ろよ」
「はーい」
なんか、と周りを見回して昼間に来ていたカーディガンをぞんざいに掛けて瞼を閉じた。
少しだけ前の夢を見た。
雑誌の半ページ。そこに初めて載ったときは嬉しくて、お母さんも喜んでくれて。
久しぶりに家に帰ろうとしたんだけれど、お姉ちゃんに結局追い返された。
「何しにきたの」って、それきり。