サンドリヨンは微笑まない
外へ放り出される? と慌てながらも足がもつれる。
寝室と思わしき場所の扉が開けられて、ぽんと荷物共々投げられた。なんてことだ。
「痛い!」
「ああ、すみませんね。近所迷惑なんで大声出さないで貰えますか」
「…すみません」
「じゃあ朝の四時までここで静かに眠って。じゃ」
遼はそれだけ言うと扉の向こうへ行ってしまった。なんて人だ。
帰るって言ったのに。むー、と頬を膨らませても意味はないので眠ることにした。
家主はどこで眠るのか分からないけれど、あたしは躊躇わずベッドにダイブした。欠伸が出る。