サンドリヨンは微笑まない
気がつけば、朝。
いつも一人で起きてるから、人に起こされないでも起きることが出来た。
枕元にあった時計を見ると四時少し前で、遼はまだ起きていないのかもしれない。
窓から入る薄暗い光に落ち着く。
て言っても、夏の朝は早い。
伸びを一回。
ベッド下に置いてあった荷物を見た。視界に入ったクローゼットと壁の隙間。
キャンバスだ。
遼の描いたものかな。
ベッドから下りてそれを引っ張った。
「…あ」
見なきゃよかった。
なんて、後悔は遅い。
足音が聞こえて、すぐに戻した。
それは、きっと遼の元カノの横顔。