サンドリヨンは微笑まない
指さされた道路の向こうにある、建物。
大きいけれど、何故あれだけ向こうにあるのか疑問を持ったあれ。
「行こ」
紙を取られたまま歩いて行ってしまう。
ここでずっと立ち止まったままも出来ないので、渋々ついていく。嘘言ってるようにも見えないし、なんて。
学校なだけあって、エレベーターなんてものな無かった。
階段を上っている途中、案内の人が振り返る。
「この棟って研究とか、自習室とか、一般の人が来ても面白くないものばっかり入ってんだよね」
「そうなんですか」