サンドリヨンは微笑まない
だけど、テスト返却と終業式は一緒で、その午後から事務所に呼び出されていた。
「赤点も補習も無しでした!」
報告すると、平井さんは「おめでとう」と言って持っていた雑誌をくれた。
もしやお祝の品でも買ってくれるのかと目を輝かせる。
「二十八ページ」
言われたページを開ける。名の知れた普通のファッション雑誌。
「え?」
「デビューおめでとう。そして、新しいマネージャー」
「え?」
顔を上げると、見知った顔。雑誌に載っている自分と、その人に驚く。
「どうして岸田さんが?」