サンドリヨンは微笑まない
変わったなんて。
この前全然変わってないと再確認したばっかななのに。
あからさまにしゅんとしたあたしを気遣ってか、岸田さんは雑誌を広げた。
「こんなの見たら、きっと遼くんも喜ぶね」
「…遼はファッション雑誌とかは見ないと思います。それに、こーゆーのは遼には関係ないし」
「え? でも社長が遼くんに送りつけちゃったって言ってたよ?」
ガタンと椅子が倒れる。
何故、そんなことを。
絶句しながら椅子を起こした。
今遼の名前も聞きたくないのに。
「岸田さん、今後の予定を教えてください」
「あ、うん」