小悪魔双子にはご用心!?~庶民派女子とイケメン双子~
王子様は最悪性悪男っ!!
「セント・ルイス学園高等部前~」
電車から降りて改札に向かう。
改札を通って駅から出て右に行くと、すぐにセント・ルイス学園が見えてきた。
うわー!!すごーい!!校舎がお城みたぁーい。
敷地ひろーい!!
おじーちゃんが経営してなかったら絶対に通えなかった学園。
正門前にはずらりと黒塗りの左ハンドルの高級車が並んでいる。
運転手さんが車のドアを開け、中から出てくるのは上品で優雅なお嬢様やお坊っちゃま方。
よくドラマとかで見る光景が今まさに現実になっているなんてー!!
しかもお嬢様お坊っちゃま方は『ごきげんよう』って言葉を交わしている。
やっぱすごいなぁー。
あ、そうあ入学式の前に教室に向かわなきゃ。
校舎の中へと入る私。
えーっと私は1-A組だったかな。
てか広すぎて迷う!!
一応手元には地図があるんだけど・・・。
とりあえず、あの角を曲がろう。
角に曲がった瞬間・・・・。
ドンッ!!―
「きゃ」
誰かにぶつかって目をギュっとつぶった。
「いってぇ。何してんだよ!!ちゃんと前見ろよ!!」
おそるおそる目を開けてみると、不機嫌そうに見てくるお坊っちゃま。
か、かっこいいーーー♡
爽やかでブラウンの髪の色、しかもセント・ルイス学園の制服がちょー似合ってる!!
王子様って感じーー!!
「おい、聞いてんのかよ?チビ」
はぃーーーー!?今私のことチビって言わなかった!?
たーしーかーに背は小さいけど、ぶつかっておいてチビはなくない!?
最悪ー、超失礼なんですけどー!!
て、ていうか普通ぶつかったら“大丈夫?怪我、してない?”とかレディーを心配するのにコイツは!!
「チビで悪かったですねー。
でもぶつかってきておいてその態度はおかしいと思いますけどねー!!」
「は!?」
「だから、人にぶつかったらまず、ごめんなさいって謝るのが普通って言ってんの!!」
一瞬固まったお坊っちゃま。
でも大爆笑し始めた。
「お前おもしれー。お前の名前は!?」
「は?」
「だから名前を言え!!」
め、命令すんなー!!
「・・・早乙女 陽愛だけど」
「ふぅーん。陽愛か・・・。お前の名前覚えといてやる。」
そう言ってお坊っちゃまは立ち去った。
なにアイツー!?ムカつくー!!何様ー!!
マジ有り得ないんですけどぉー。
そんなことを思いながら無事に教室を発見することができた。