小悪魔双子にはご用心!?~庶民派女子とイケメン双子~

学校帰りに。

ぐったりとした午前中から、もう気づけば放課後になっていた。

いやーセント・ルイス学園来てから時間経つの早いなぁー。


ま、せっかくの高校生活はどっかのお二人様のせいでぶち壊しだけどね。


先生に手伝いを頼まれて、外を見ると気づけば真っ暗でもう20時を回っていた。


急いで帰らなきゃなー。


最近女子高生がチンピラに襲われる事件増えてるって誰か言ってたし。


私はセント・ルイス学園をあとにした。


駅に向かう途中近くの自販機にジュースを買おうと立寄た。


小銭を入れ、紅茶を買い再び駅へ向かおうとした時後ろから複数の声がした。


「ねぇ、キミ可愛いねぇー」


か、可愛いなんてそんな、滅相もない。きっと後ろの人の目がどうかしてるんだ。


てか、よく後ろ姿で可愛いなんてわかるものだ。


「1人なら俺たちとあそぼーよ」


「しかもキミ、超お金持ち学校の制服じゃない?

キミってお嬢様なの?」



「1人で寂しそうだし、俺たちがイイ場所に連れてってあげるよ」


などと、振り返ると5人のチャラ男たちが声をかけていた。


「いや、結構です」


私は怖くなってこの場から立ち去ろうとする。


「俺たちと遊べば楽しーよ」


とチャラ男1が私の手首を掴む。


「キャッ。離してください。」


「今聞いた?離してください、だってよ」


「離してって言われて離すバカいるかよ」


手首を掴んでいたチャラ男1がさらに強く掴む。



「それ、離してくんない?」


「え・・・?」


聞き覚えがある声がして後ろを振り向くと、性悪双子の片割れの奏太が立っていた。



「かな、た」


半泣きの声で名前を呼ぶ。


「んだと、コラァ」


「誰だ、テメェ」


「コイツの男か?」


「は?誰がこんなチビなんかの彼氏だよ。ふざけんな」


奏太は不機嫌そうに否定した。


「ちょ。ちょっと奏太、そこまで言わなくてもいーじゃんよ」


さっきまでの半泣きと一転してめっちゃ否定されたのがムカつく。


「それより、返してくんない?」


「ナメてんのか。この野郎!」


「言っとくけどそれをおもちゃにしていいのは、俺だけだから。

だから、それ返してくんない?」


あーあたしを“それ”呼ばわりしているこの男が憎い!

あたしゃものじゃないつーの。


「コイツの男じゃねーんだから、好きにしようが俺たちの勝手だ。」


「返さねぇって言うなら、力ずくで返してもらう。」


奏太がそう言った瞬間、


ドンッ―。

私の後ろにいた男が倒れて他の男たちは皆、唖然とした顔をしている。

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