*Pure love*
三章 遊園地 変化
その後,花香は郁馬へ告白の返事をして,付き合い始めた.
私としても幼馴染同士が幸せになってうれしい…のだけれども.
「けーっきょく花香,私より付き合うの早かったじゃん」
「意外とねー.まぁ,こっちは前から好きあっていたから,早かったんじゃなぁい?」
全くのろけ過ぎ.花香のおでこをはじく.
花香は痛ぁい,と大袈裟にリアクッションをするも
「でも幸せ〜」
と笑顔になった.
「それでね,今度のゴールデンウィーク,遊びに行きたいなぁって考えているんだけど.杏樹も一緒に」
ふぅん,と頷きかけて止まる.杏樹も一緒?
「まさか,私も行くの!?」
「だって,二人きりだと…恥ずかしいし…親になんて言ったらいいかわかんないし.だから杏樹とか友達と行くって言えばいいんじゃないかって」
けろりとした花香の言ったことにまた引っ掛かる.杏樹とか友達と?
「他にも誰か行くの?」
「後は郁馬がサッカー部の友達,二人連れてくるよ」
それじゃあデートじゃないじゃん,と言うと,デートじゃないもん,と返された.
「せっかくだから,遊びに行こうってなっただけ」
そもそもデートなんて一言も言ってないし.言われて考えてみると確かに一度も言っていなかった.
「で杏樹も行くってことでいい?」
特に予定は入っていなかったので,頷いた.
***
その夜,花香からのメール着信をケータイが告げた.
『五月五日,舞浜駅に集合』
ゴールデンウィークに早くも予定が入ったな,とメールを読み返しながら,一人思わずクスッと笑った.