*Pure love*

 ***

 夏休み中に,織本君に好きって言えばよかったのに

 そうしたら,あんな思いはしなくて済んだかもしれなかったのに

 
 「好きだったよ.織本君」

 雨の中で声をこらえて泣くこともなかったのかもしれない

 
 

 この頃から,少しずつ動いていた歯車は加速を始めた.

 何も知らない男の子と,好きな人に想いを伝えられない弱い私と,どこかで自分の気持ちを押し殺した男の子を尻目に.


next…
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