*Pure love*

***

その日のホームルーム。いきなり先生が連絡をした。

「はい、もうすぐ遠足がありまーす!」

えっ?梅雨が終わりかけて、暑くなってるこんな時期に?

「本当は、5月の予定だったんだけど、色々あって延期になりました!」

 周りの子たちも疑問の声を上げている。

「どこに行くとか、何をするとかのアンケートとります。…あんまり遠いところはなしね!」

ディズニーがいい、と言っている子がいて、先生が慌てて付け加えてた。

ふーん。

「花香はどうする?」

「うーん…。どこでもいいや」

「まぁ、微妙な時期だしね」

配られた私の紙は真っ白。

隣の席の子の紙はこれでもかとぐらい文字が並んでいて、黒く見えた。

「…んじゃあ、これでいいかな」

「パワースポット…って、花香そんなのに興味あったの?」

「別にないよ。でもとりあえず何か書かないといけないっぽいし」

『パワースポットに行く』

とりあえずで書いたんだけどなー…

***

後日。

「『パワースポットを歩こう』…」

配られた紙にでかでかと書かれた文字。

「みんなからのアンケートと、先生たちの会議で、これに決まりましたー」

よりにもよって

「「「えー!?」」」

これかい!

***

「これになったねー」

「書いた張本人もビックリよ」

「他に書いた子、いたのかな…」

「いないと思う」

休み時間、杏樹と遠足について話す。

「班のメンバーは…自由で男女混合、か。誰か誘う?」

「あ、さっき小坂井さんと約束したんだった!花香もいい?」

「早いね!小坂井さんならいいよ」

小坂井このはさん。掃除班のメンバーで、性格もいいし、仲良くしている。

「男子は…」

織本と桜田の方をちらっとみる。
やっぱりかなりの人気。
でも杏樹、一緒になりたいだろうし

…親友のために一肌脱ぐか。
< 50 / 50 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:3

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

表紙を見る
悪夢

総文字数/2,811

ホラー・オカルト13ページ

表紙を見る
シンデレラをアレンジしてみたら…

総文字数/2,636

絵本・童話3ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop