*正しい思春期の切愛理由*
足を運んだ裏通りの公園は薄暗く、人影がなかった。
さびれたブランコとくたびれた時計台が、窮屈そうに身を寄せ合っている。
ビルに挟まれて陽があたらず、子供にも避けられていそうな公園。
憐れだ。
行き場所がなくて、こんなところにしか居られない遊具たち。
やがて忘れられていく存在。
俺と同じ、だ。
拗ねた考えは頭の中でぐるぐる回り、気持ちを蝕んでいく。
ビルの隙間から覗いた空は灰色で、太陽の姿が見えなかった。