*正しい思春期の切愛理由*

 


運命の君、ね。
 



いくつものカラーラインが引かれた床を蹴りながら、ふと考える。
 


運命だなんて、一体何をもってそう判断するのか。
 

ひとつの出来事が、必然なのか、偶然なのか、運命なのか。
 
その答えを知ることは、ひどく困難に思える。



「廊下を走るんじゃありません!」


「すいませーん」
 



すれ違った看護師長から小学生のように怒鳴られながら、階段を駆け下りた。



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