*正しい思春期の切愛理由*
いかにも生々しいアイテムだ。
孝太からの贈呈品は、じりじり染み出す俺の欲望を加速させた。
ただでさえ、無防備な一歌と同じ家に暮らしているというのに。
二階の狭い廊下で。
何の気なしに、ただすれ違うつもりだったのに、
「あ、お風呂あいたよ」
ふわりと漂った香りに、無意識に身体が反応してしまう。
「ちょ、瑞貴」
細い腕を取って、そのまま壁に押し付けて、戸惑っている一歌の唇に自分を重ねた。