約束を。

 
現在、その親友はぶつぶつ言うのをやめ、ステージのほうをむいている。


 ぼーとしているところをみると、やっぱり少なからず見とれてるのだろう。

 あのきれいすぎる顔に。


 
風音ははっと私の視線に気づくと、「違うから!」

 と小声で言ってきた。赤い顔で。


 『何が違うの?』と言い返してあげると、


 「な、なにがってー」


 この親友の事だから、私があの人のこと好きなんだろうなーとか思って楽しんでると思ってたのだろう。


 でも、それを口に出すとなるとそれを認めるようなもの。


 記憶を忘れているこの子はあの人のことを初対面と思っているはず。


 あの人とこの子がどんな関係なのか微妙ってところだろうけど。

まぁ、あの人にはがんばれって感じかな?



なんでわたしがあの人って言ってるのかはわからないけど、
(同じ学年なのに)

まぁ、記憶を思い出しても仲良くはできるはず。とはおもう。


あっちも私の事は言われてると思うし。


この後は

たぶんこの子に付き合って理事長室に行くことになる。
(理事長からさっき会ったときに集まれって言われてたしね)
↑付き添ってじゃない…

 
 

 そのときこの子とあの人は本当の対面となるのだろう。

 


  (ていうか目が合っただけは対面っていわない…)



 うん。なにを言ってるのかわかんなくなってきた。

 
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