約束を。



ありえない。



『はぁ?なにそれ!』と、すごく怒りたくなった。



でも―――……


『うん。何やってるんだろうね。私。』


本当なら怒れて、下手すれば受験をやめれたかもしれなかった最後のチャンスかもしれなかったあのとき。


 
私は…何もしなかった。なんで何も言わなかったのか今でもよく思う。

でも、なんでかもう言えなかった。理由はわからないけど。


(そんなよくわからない理由で自分の高校が…)


そう思っていたはずの私は、なぜかその唯一のチャンスを逃していたのだった。


でも、一応自分で決めた高校もダメなのわかってて受けた。

ちょっとした反抗のつもりで。


―まぁ、結局学費もらえなくて「ダーメ♪」の一言で入学決定しちゃったんだけど。


『はぁ』

 溜息も付きたくなる。


頑張って受かった高校は学費を出してもらえず入学中止。


バイトは許してもらえず(親バカだから、危ないって言って)


勝手に高校は決められた。


もう散々の思えてくる。  


お母さんには勝てないと思った私は、もうあきらめてその高校に行くことにした。

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