約束を。
「きゃああああ!風音ちゃん可愛い!すごい似合ってる!」
下に下りると突然、お母さんの悲鳴が聞こえてきた。
「さすが私の子!」
うーん…なんでそこでその台詞?
『いや、可愛くないし。そんな似合ってないでしょ。』
どちらかというとお母さんの方が似合いそう。
私のお母さん、桜華川 沙梨(オウカガワ サリ)は、現在もうすぐ16歳になる子供がいるにも関わらず、ものすごい美人(いや、美少女といった方があってるかも)で、若々しい。
(なんでこの容姿が私にも来なかったのかなぁ?)
本当にそう思う。
「えー、すごいかわいいわよ?風音ちゃん美少女だし。」
もう、親バカはいいから。
『かわいくないってば。美少女でもないし。お母さんの方が可愛いよー。』
お母さんにそう言うと、
はぁぁ――
(なぜか)溜息を返された。
(ホント、この子いつまでたっても無自覚なんだから…)