約束を。
「行こう!」
準備がしっかり終わったらしいお母さんがハイテンションで言ってくる。
( あいかわらず切り替え早いなぁ~。)
笑いがこみあげてくるのを少し押さえながら話す。
こんな単純そうなところはすこしうらやましいと思わなくもない。
『さっきまであんなにブーブー言ってたのに…』
全部終わったお母さんのオーラはさっきとまるで違う。
そこにいるのは、
完璧外用の雰囲気をまとったパーティとかでよく見るお母さん。
シャキッと胸を張っているそのいまの姿は、
すごく完璧でしっかり者のお嬢様のようにも見える。
すごく(見た目だけは)かっこいい。
「なにかいった?」
そう満面の笑顔でかえされて、(じ、地獄耳?!)と思ったのは心の中の話。
『う、ううん!じゃ、行こうか。』
「そうね。」
私たちは家の門を出てこの前一人で歩いた通学路を歩いていく。