真夜中の足音(中編)
家に帰ると、疲労と怪我とで、かなり手こずりながらも服を脱ぎ、シャワーを浴びる。
染みるのは覚悟していたが、傷口を消毒するためにも我慢してぬるめのお湯で洗い流す。
バスルームを出ると、身体を拭きながら怪我の状態を確認する。
右ひじは見事にどす黒くなっており、右足は、腫れて熱を持っていた。
見てると痛みが増しそうで、それ以上は怪我の場所を見ないようにし、手で壁を伝いながら、リビングに出て、冷蔵庫から缶チューハイを取り出す。
これを飲んで、歯を磨いて寝よう。
そう思い缶のプルに爪をかけようとした陽子だが、そこで動きが止まった。
また、この感じ・・・。
どこからか見られているような。
首を軽く左右に回して、その気配の出元を探す。
しかし、何もおかしなところは、見つからない・・・。
やっぱり気のせいか。
そう思った時、