真夜中の足音(中編)
 ピーンポーン


インタンホンが鳴った。

陽子の身体が、おもわずビクっと反応する。


カメラ付きのインタンホンなので、ドアの横にある液晶には自動的に玄関の映像が映し出される。


画面には、さっきの警察官が映っていた。

陽子は、ボタンを押して「はい」と、声を出す。


「夜分にすいません。西署の丸山です。先ほどのところに携帯電話が落ちてたので、もしかしたらと思い伺ったのですが」

丸山は、カメラに向けて携帯電話を見せようとするが、カメラの場所を間違えているようで、いまいち携帯電話はっきり見えない。

「すいません。ちょっとお待ち下さい」陽子は、返事をすると足を引きずりながら、自分の鞄の中をチェックする。確かに、携帯電話が見当たらなかった。

< 16 / 52 >

この作品をシェア

pagetop