真夜中の足音(中編)

ゥエーン、ェエーン


丸山の泣き声が部屋中に広がる。
子供みたいな泣き方と、丸山の野太い声がアンバランスさを強調する。


しばらく、泣き続けた丸山だが、鼻から息を大きく吐くと、話し始めた。


「私の、父と母は、二人共私を残して死んだんです・・・」

消え入りそうな声で話し始めた。

< 25 / 52 >

この作品をシェア

pagetop