真夜中の足音(中編)
その声は、時々聞こえてくるのですが、よく聞くと、母親の声に似ているのです。
私は、思いました。もしかしたら、母親が地獄に連れて行かれようとしているのかと。
とても怖かったのですが、私は母親を助けに行かなければならないと思いました。
縁側は、雨戸が閉まっていたので、玄関の扉から裏に回り、私は母親を助けに行きました。
物置の扉の隙間からは、裸電球の光がうっすら漏れていました。
私は、その隙間から中を覗き込みました。