真夜中の足音(中編)

「ダ・・・ァッ!」

陽子は、身体を使って止めようとするが、足に痛みを感じ壁に手をついてしまった。

「いっそのこと、台所まで運んじゃいますねー!」

普段なら微笑ましいかもしれないけど、デリカシーの無さ。さらには、この状況での空気の読めなさに憤りを感じる。

「待ってー!」

陽子は、とうとう大声で叫んだ。

しかし、安藤は、そのまま地獄に繋がるであろうドアへどんどん歩いていく。

陽子は、足を引きずりながら追おうとするが、その時には既にドアに手をかけ、部屋の中へと入ってしまった。
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