真夜中の足音(中編)
倒れた丸山の横では、安藤が尻餅をついて、両手を後ろにして身体を支えていた。
息が荒い。
「安藤さん!」
名前を呼ばれると、安藤は陽子の顔を見て、また笑った。
「良かった・・・」
それを見て、陽子も、その場に尻餅をついた。
反対に、安藤はゆっくりと立ち上がる。
「どうやって?」
陽子は、安藤を見上げながら、当たり前の質問をする。
丸山は、拳銃を持ってたはずだ。
すると、安藤は、黒い髭剃りのようなものを手にして見せた。
「スタンガンです」