真夜中の足音(中編)
ストーカーに付けられ、連続通り魔に襲われ、最後にはその二人が殺し合った。

そして、今、生き残ったストーカーに、また連れ去られようとしている。


廊下を歩く二人。

安藤は、陽子が歩き易いように手を貸す。

傍から見れば、とても紳士的な行動だろう。

しかし、陽子だけは知っている。

安藤の手には、スタンガン。
後ろのポケットには、拳銃が挟まっているのを。


「君のためならなんだってするよ」

優しい笑顔をむける。

しかし、

陽子は、後に知る。

彼の前付き合ってたという彼女がどういう末路を辿ったか。

丸山と安藤。

それは、同じ連続殺人鬼。
違うのは、その被害が世間にばれているか、いないかという点だけ。

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