333112




悶々としている私をよそに、ユカリ君はひとりペラペラと喋り続けている。


伊崎はどんな反応をしてるんだろうと、覗き見てみたが
我関せずといった涼しい顔でコーヒーを飲んでいた。




はてさてふたりは本当に友達なのだろうか?




「こはるちゃん、ちっちゃいよねー。何センチなの?」

「150センチです」
実は148センチなのだが。まぁいいだろう。


「えー⁉︎本当にちっさいねー、可愛い」

「ユカリ君は大きいね」
伊崎よりも大きいんじゃないかな。



「たぶん、175から180の間くらいかなー」

「え、間って…」
クスクスと笑ってしまった。
随分と適当な人だ。




「えーだって忘れちゃうからさー。ていうか、こはるちゃん笑ったほうが可愛いよ」

「そういうユカリ君はいつも笑ってるね」


そうかなー、と言いながらまた
あはは、と笑うユカリ君。




友達が増える予感がして。
嬉しくてニヤニヤしながら、すっかり冷めてしまった目の前の液体を飲み干した。





< 22 / 23 >

この作品をシェア

pagetop