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いつまでも玄関扉の狭い隙間から相手を睨んでいると、




大きくため息をつき、やれやれといった顔で




「何してんの。おいで。」



と言ってきた。





そっちこそなんでいるんだよ。


と思いつつ、

体は素直に言うことを聞いて、外へ踏み出しているから不思議だ。






それがちょっと悔しくて、苦しまぎれに




「別になにもしてないけど……。」



とふてぶてしく答えてしまった。






まぁ、なにもしてないことなんて
向こうだって百も承知だろうが。






「そんなの知ってる。」







ほら、やっぱり。



バカにしたように笑ってるし。

悔しい……!



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