わがまま姫♀
…………。
“ポンポン”
姫央の頭をなでた。
「……っ…」
俺がなで続けていると、ついに泣き出してしまった。
「…っう」
婚約できて嬉しいはずがない。
だって俺らまだ17だろ。
目の前のコイツが、今どうしてこんなにも泣いてるのかは分からない。
婚約がそんなにもいやなのか、それとももっと他の理由なのか。
目の前のコイツにとって、婚約がどういうものなのかは分からない。
断ろうと思えば断れるのに、どうして我慢してまで婚約するのかも分からない。
俺はお前の気持ちなんか、分からないだらけなんだよ。
だけど今は、隣にいてやろうと思った。
なんでだろうな。
コイツに出会ってからの俺は、どうもおかしい。
泣かれたら、コントロールが完全に不能だ。