わがまま姫♀



「…別にいいんじゃねーの」

「え…?」

「そういう運命だし」



やっぱり、そーやって諦めてきたんだ。



「そのために、俺だってわざわざ転校したくらいだし」

「そうだったの?」

「ん」



あ、それで家庭の都合ってわけか。



だから強制的に隣席。



まぁ、今では結構嬉しかったりするんだけどね。



「俺に拒否権はない。つまり、最終的にはお前が決めんの」

「な、なにそれ…」



すんごい重い岩を、頭の上に乗せられた気がした。



…ねぇ、神様。



もしいるんならさ、あたしはいったいどーしたらいいか、教えてよ。



「好きです」って言えばいい?



返事は分かってるのに。



結婚するのに、それはさすがにまずいでしょ。



なんか、気まずい夫婦みたいじゃん。



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