わがまま姫♀
「…ねぇ、今沢の家って?」
あたし、今沢の家について何も知らないや。
「お前のとこと一緒」
「もしかして、あの今沢財閥…?」
桃井財閥(うち)と同じくらい有名な、大財閥の1つだ。
「はぁ?」
やっぱり、そんな大きいとこじゃないよね?
「そーに決まってんだろ」
えぇ!!
「そ、そんな会社でも、手を組まないとヤバいの?」
「あぁ」
やっぱりあたしが断ったら、今沢の家を見捨てることになるんだろうか。
断る気ないから、いいんだけどさ。
「17で婚約、か」
そう言って今沢は、目の前の池の側まで歩み寄った。
「今沢は…好きな人とか、いなかったの?」
あたしもベンチから立ち上がり、池の方へと行こうとしたその時、
“カツっ”
「いないけど…」
「ど、どいてっ!!!」
「は?…って、うぉっ?!」
“バッシャーンっっ”
2人で見事に池にダイブ。
「おっ前なぁ!普通あそこでつまずかねーだろ!!」
「だ、だってぇー…!」