わがまま姫♀
今沢は、呆れた様子で前髪をかきあげる。
“キュぅぅうん…”
ぎゃぁ(恥)!
か、カッコイイよ!!
「せっかく着物きて、少しはましになってたのに、これでもう元通り以下だな」
…口の悪さを直せばパーフェクト(殴)
「うっさい」
あ、そうだ。
「そーいえばさっき、なんて言おうとしたの?」
「…なにが」
「好きな人はいない、の後!」
「あぁ…」
髪の毛の先からポタポタと滴が落ちる。
「…けど俺は」
そこまで言うと今沢は、池の中であたしを抱き上げた。
「きゃっ!?んな、なにっ?!」
今沢の顔が下にある。
そして今沢の腕が、あたしのお尻の下の辺りにまわっている。
…ドクン…ドクン…
「俺はお前を好きになる」
…ドクン…ドクン…
「……え…」
今沢の顔は真剣だった。