わがまま姫♀
ありゃりゃー。
これまた今日は、ずいぶんド迫力で。
「やっぱりお金でしょ!?」
「でなきゃ有り得ないじゃない!」
流の家が、かの有名な今沢財閥だと知り、ますますファンが増えた今日この頃。
……なんて、のんきなこと言ってる場合じゃなさそう。
あたし今、修羅場だしね。(←修羅場での台詞じゃない)
「流くんが、こんな可愛いげのない女なんて、受け入れるわけないものっ!」
キーキーうるさいっつーの。
生憎だけど、ここまでボロカス言われて黙ってられるほど、あたしは大人じゃないしね。
そんなすました大人になる予定も、今のとこない。
“バンっ”
今度はあたしが机をおもいっきり叩いた。
ラーメンの汁が少々はねようが、気にしてなんかいられない。
「………」
食堂が静まり返った。
…ちょっとやりすぎたかな。
「……黙って聞いてれば、言いたい放題言ってくれるじゃん」
食堂にいた生徒全員の視線が、あたしに突き刺さっている。