わがまま姫♀



「何度も言うけど、この婚約には会社の将来がかかってんの!分かる!?」



緊縛した空気の食堂で、遥ひとりだけが呆れた顔をしていた。



「順番が違うだとか百も承知よ!けどね、これがあたし達の宿命なんだから!」



…ハァー…ハァー…!



………。



ななな、なによこの微妙な空気!



もしかして、あたしのせいなの?(←もしかしなくても、アンタのせい)



「ま、まぁいいわ。両思いじゃないんだし。あたし達にもまだ可能性はあるわ」



百合果は仲間を引き連れて、食堂をでていった。



“ドカっ”



勢いよく椅子に座り、足と腕を組む。



「もう、姫央ってば。毎日毎日よくやるよねぇ」

「いいの!うられたらかわないと、後悔してからじゃ遅いんだし!」

「はぁ…」




< 129 / 566 >

この作品をシェア

pagetop