わがまま姫♀
「何度も言うけど、この婚約には会社の将来がかかってんの!分かる!?」
緊縛した空気の食堂で、遥ひとりだけが呆れた顔をしていた。
「順番が違うだとか百も承知よ!けどね、これがあたし達の宿命なんだから!」
…ハァー…ハァー…!
………。
ななな、なによこの微妙な空気!
もしかして、あたしのせいなの?(←もしかしなくても、アンタのせい)
「ま、まぁいいわ。両思いじゃないんだし。あたし達にもまだ可能性はあるわ」
百合果は仲間を引き連れて、食堂をでていった。
“ドカっ”
勢いよく椅子に座り、足と腕を組む。
「もう、姫央ってば。毎日毎日よくやるよねぇ」
「いいの!うられたらかわないと、後悔してからじゃ遅いんだし!」
「はぁ…」