わがまま姫♀
先輩たちは、旧校舎の方に向かっている。
旧校舎といえば、壊れた机や椅子、その他にもゴチャゴチャと廃棄物が散乱している。
今やごみ箱状態の建物だ。
普段はめったに人が足を踏み入れない。
昼間だというのに、なぜか薄暗い教室や廊下。
……不気味だ。
「ここでいいんじゃない?」
「そうね」
先輩たちは、ある教室に入った。
それに続いて、あたしもその教室に足を踏み入れた。
瞬間、目の前が真っ暗になる。
「っ?!」
両手をつかまれ、後ろで縛られている。
視界を塞がれ、何も見えなくなった。
抵抗しても、複数にはかなわない。
「いった!離してよ」
「うるさいんだよ!」
……それに。
なによりもあたしがかなわないのは。
暗闇だ。
視界が真っ暗で何も見えない。
あたしがなによりも嫌いなもの。
なによりも恐怖を感じるもの。
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い…。
「あら、急におとなしくなったわね」